配当利回り9%になっても静観していたある米国株の話
現在、私はADRを中心に米国株投資を行っているのですが、
とても気になっていた会社がありました。
その会社とは、
おけいどんさんのブログで取り上げられた
件の米国市場での上場廃止を発表した
「BT Group plc」だったわけです。
外国株投資に馴染みのない方は
あまりご存じでないかもしれませんが、
BTは、米国市場に上場している英国の通信大手です。
世界170か国以上でビジネスを展開するグローバル企業で、
従業員数は10万人を超える規模です。
(ボーダフォンの従業員数は約9.9万人)
採用されている英国の有力企業なのですが、
指数の動きとは裏腹にズルズルと株価を下げていたわけです。
ブレグジット問題で低迷しているかと思いきや、
意外にも堅調なFTSE100の10年チャートはこちら。
ご参考まで。
BTの8月16日の株価終値はUSD9.95でした。
配当はGBP0.77(USD0.94)の予定なので、
計算すると配当利回りは約9.4%にもなります。
現在私が保有している中で最もハイリスクなものが
配当利回り約7.8%のアセアン株なのですが、
これと比較してもかなり高い水準です。
1株利益(EPS)はというとGBP1.09なので、
配当性向は70.6%とやや高めというくらいでした。
ただ、緩やかな増収増益予想となっており、
通信業界には”5G”という材料もありますので、
ポジティブに考えられる点はありました。
配当株投資をしている者としては、
これは一体どういことなんだろう??と、
配当利回りが8%になったあたりから
気になりつつ静観していました。
ちなみに、上場来の超長期のチャートに
ボリンジャーバンドとRSIを重ねたものがこちら。
なぜ投資を躊躇していたのかということを
自分なりに振り返ってみると、
このチャートの2008年~2011年の間に出現している
パターンが気になっていたからなのかなと思います。
RSIの抵抗ラインとみられる30を大きく下回り
ボリバン下限値で株価を下げ続け、
2009年3月にUSD4.86の最安値を付けました。
そして、2010年には大幅減配。
その後はRSI30の回復を確認したあと、
ボリバン中央値をゴールデンクロスしたあたりで
中期的にトレンド転換を果たしたものの、
再び現在の下落トレンドに。
配当利回り8%で一見おいしそうでしたが、
また減配か、株価はUSD5.0割れまであるか、
などと案じていたわけです。
そんなことで静観していたところ、
BTの米国市場での上場廃止が
8月14日に発表されました。
そう簡単に予見できるものではないですね。。
「上手い話には裏がある」ではないですが、
高すぎる配当利回りに
直感的に怪しさを感じていたため
今回私は偶然回避できたに過ぎません。
私のレベルで強いて言えることは、
長期投資とは言えテクニカルな面からも
ヒントを得るのは大事ですということでしょうか。
世界に目を向けるといろいろな
"お株事情"と出会えますね。
これに懲りずに、
配当利回りや将来性、経済全体などなど
日本株とは一味違う英国の状況にも
今後も関心を寄せたいとは思っています。
(ADRは米国株の分類とはなりますが・・・。)