米国株と組み合わせたい日本の老舗株
米国株と組み合わせたいシリーズ第2弾です。
より安定的に配当株投資を行うには、
国も分散させたいですよね。
米国株一択の方がトータルリターンは大きい、
という意見もあるようですが、
時間軸の切り取り方次第では
その限りではありません。
リスク分散をする上でJ-REITに続き推奨したいのが
日本特有の業態ともいえる老舗企業への投資です。
その業態とは、
Trading Company
つまり「商社」です。
しかし、注意点としては、
「総合商社」(General Trading Company)以外は
配当株投資には向かない危険性があるという点です。
現代の総合商社は、
Tradingだけではやっていけなくなった不況時代を
事業投資によって乗り越えてきました。
つまり、総合商社は財力やノウハウなどを活かして
従来のTrading Companyとしてではなく、
Business Investment Companyへと
変貌を遂げることに成功したのです。
言い換えると、
事業投資による成長が見込めなければ、
配当目的で商社に投資するのはダメ!
ということです。
例えば、
証券会社のページで商社を物色して
配当利回り順に並び替えると
こんな感じで出てきます。
配当利回りが5%を超えている
上位の 双日 や 丸紅 あたりを
買いたくなりませんでしょうか。
では、
これにあと3つ条件を加えてみます。
そして売上高成長率を追加してみました。
どの会社もROE10%以上とまあまあ良好ですが、
過去3年間できちんと営業活動を拡大できたか、
という視点を入れると差が歴然とします。
投資予算の配分を決めて、
複数の会社に分散投資すると良いでしょう。
ちなみに私であれば、
米国株との組み合わせ(リスクヘッジ)に
グローバルに事業投資を手掛ける
日本特有の老舗株はいかがでしょうか。
☆ちなみに☆
伊藤忠商事は、創業1949年
三菱商事は、創業1950年
三井物産は、創業1947年
でした!
米国株と組み合わせたいJ-REIT投資のすすめ
最近、米国株投資が注目されていますが、
8月に入り米中貿易摩擦の長期化に起因した
下落が加速しています。
ビットコイン然り、テレビやネットで話題になり出すと、
新参者に試練が訪れるアノマリーは定着したようですね。
そこで、リスク分散のひとつとして、
J-REIT投資について紹介したいと思います。
ダウや日経が冴えない展開でも、
J-REITは買われるという展開が続いています。
これは、貿易摩擦や為替懸念などで
業績の下方修正が予想される個別企業より、
リスク分散と高利回りが期待できるJ-REITに
旨味があるという判断ですね。
米国株投資は長期的には魅力的ですが、
既に高値圏で推移しており、
短中期的には楽観視できない状況にあると考えています。
米国との二重課税や為替リスクを軽減するためにも、
安直に全力米国株!となる前に、
J-REITの存在も知っていただけたらなと思います。
(※基本的な解説は投資信託協会に委ねます。)
■一般社団法人投資信託協会|そもそもJ-REITとは?
https://www.toushin.or.jp/reit/about/what/
では、配当株投資家のための
J-REITの選び方について紹介したいと思います。
◆お品書き
1.利回りで選ぶ
手っ取り早く候補銘柄を絞り込むために
利回りで並び替えます。
私の場合は、4.5%程度を目安にしています。
ただし、1銘柄だけ利回り関係なく、
GPIFの恩恵に与れるような
2.NAV倍率で選ぶ
PBRに似た割安指数で購入のタイミングを検討します。
私の場合は、1.10未満をひとつの目安にしています。
利回りの基準で対象外であっても、
NAV倍率が高い銘柄については
値下がりを待つという選択もできます。
3.運用資産で選ぶ
「ホテル」や「商業施設」系ファンドは除外しています。
これらは比較的高利回りですが、
ホテルはすでに供給過多による先行きの下振れ懸念があり、
商業施設は消費低迷とネット通販の影響で
期待が持てないというのが理由です。
逆に、ネット通販と密接な関係がある
「物流施設」に投資しているファンドは
安定成長が期待できそうだと考えています。
ちなみに、
私の場合は時価総額をそれほど重視していません。
小さいファンドは取引が少なく
思った価格で売買できない可能性がありますが、
長期投資が前提ですので
そのリスクは許容したいと考えています。
J-REITは全部で60銘柄程しかありませんので、
ある程度絞り込みができた後は、
どの地域に物件を保有しているか、
物件の稼働率はどのくらいかなど、
自分なりの投資根拠を調べるのは比較的容易です。
あとは、権利落ちや公募増資発表後など、
値下がりのタイミングを見計らって
高値掴みを避けることで、
安全にエントリーできる確率を高められます。
配当株投資に魅力を感じている方にとって、
リスク分散と高利回りが期待できるJ-REITは、
運用資産の一部として一考の価値があると思います。
(2914)日本たばこ産業を売りました
高配当株を調べると必ず上位に出てくるのがこの 日本たばこ産業(JT) です。
私も、規模よし、配当よし、財務よし、という感じで
そのネームバリューを過信してあっさりと買ってしまった一人です。
業績と株価は下落基調であっても、
「配当利回り5%超えてるしそろそろ下げ止まるだろう!」
「多少値下がりしてもこの高配当なら長期保有でなんとかなる!」
と、当初は考えていました。
そして今年7月に入り、
「配当利回り6%超えてるしそろそろ下げ止まるだろう!!」
などと一瞬考えて現実逃避しようとしましたが、
冷静に分析してみることにしました。
そしてその結果、売却を選択しました。
◆お品書き
1.1株当たり配当金
いくら配当金が出るのかは皆さんもよく調べると思います。
株価と比較して配当利回りを計算することで投資判断するのも1つの手法です。
JTに関してもこんな感じで右肩上がりでした。
2.1株当たり当期純利益(EPS)
配当株投資をする上では売上を見ることも大事ですが、
株主還元のための利益をどのくらい生み出しているかが重要です。
JTは右肩下がりで、2019年度もさらに下がることが予想されています。
3.配当性向
利益の何%を配当に回しているかを示したデータを見てみます。
一般的に、配当性向が高いと株主還元に積極的であると評価されます。
しかし、JTは2019年度に利益が減ったのに今の配当を維持した場合、
配当性向は75%を超える見通しとなり、
その上昇ペースから減配リスクが意識されるようになります。
それでもJTを買ってしまったのは、
そのネームバリューからいつか業績は回復するだろうとか、
いろいろと楽観視してしまったことにあったと思います。
少子高齢化、嫌煙文化、消費増税があるのに利益は確保できるのか?
配当を維持したら事業投資に支障が出てくるんじゃないか?
政府保有株式の売却リスクという特殊要因を無視できるのか?
そんなこと心配しないといけないなら他の銘柄に資金を回そうと考え、
JTを売ることに決めました。
これからも配当株投資だからと放置せずに、
きちんと失敗を認めて堅実投資に努めたいと思います。
主力のJ-REITで含み益があったから決断できた、、のかもしれませんが...p(-n-)q